「外国人が 買い占めている」 は本当か 国交省データが示す現実
数字を見れば、議論の解像度が上がります。
「外国人がマンションを買い占めて価格が高騰している」——こうした声をよく耳にします。この通説は本当なのか。2025年11月、国土交通省が不動産登記情報を活用した新築マンション取引の初の実態調査を公表しました。法務省の登記情報と民間の価格データを用い、三大都市圏及び地方四市の新築マンション約55万戸を対象とした客観的な調査です。結果は、海外に住所がある人の取得割合が東京23区で3.5%、大阪市で4.3%。本号では、感情論を離れて一次データで冷静に検証します。同時に、この数字の「限界」と、国が実際に問題視している本質も正確にお伝えします。
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まず、国交省が公表した客観的な数字を確認します。「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引の調査結果」(2025年11月25日公表)による、海外に住所がある人の新築マンション取得割合です。
多くの都市で数%程度にとどまっている
国交省 調査 限界 在日外国人 国籍 把握できない
この数字を正しく読むには、重要な限界を理解する必要があります。国交省自身が、この調査の限界を明言しています。
つまりこの「3.5%」という数字は、あくまで「海外に住所がある人」の割合です。日本に住所を持つ外国人——たとえば在日华人のように日本に居住して不動産を購入する人は、登記情報に国籍が記録されないため、この統計には「日本居住者」として含まれています。「海外居住者=外国人全体」ではない点に注意が必要です。
国交省 投機的取引 短期売買 問題 日本人 外国人
この調査で国が本当に問題視しているのは何か。それは「外国人かどうか」ではなく「投機的な取引かどうか」です。国交相の発言が、その本質を示しています。
注目すべきは、短期売買(購入後1年以内の売却=投機の指標)の割合を見ても、海外に住所がある人の数字は国内に住所がある人を下回っている点です。つまり「外国人だから投機的」という図式も、データでは裏付けられません。全日本不動産協会も、大都市圏の新築マンション価格を押し上げているのは転売目的の投機的需要ではなく、あくまで富裕層や高所得者層による居住目的の需要だと分析しています。
国交省の初の実態調査によれば、海外居住者による新築マンション取得は東京23区で3.5%、大阪市で4.3%、多くの都市で数%程度です。東京23区で海外居住者が取得したのは308戸で、うち台湾が6割超、中国は30戸。「外国人が買い占めて価格が高騰している」という通説は、客観的なデータでは裏付けられません。数字を知ることで、議論の解像度が上がります。
国交省の3.5%は「日本国外に住所がある人」の割合です。登記情報に国籍が含まれないため、日本に住む在日华人の購入は統計上「日本居住者による購入」に分類されます。日本で暮らし働く生活者の不動産購入は、海外からの投機とは性質が異なります。この区別を理解することが、正確な議論の出発点です。
国交相は「日本人か外国人かを問わず、実需に基づかない投機的取引は好ましくない」と明言しています。短期売買のデータを見ても、海外居住者の割合は国内投資家を下回ります。論点は国籍ではなく投機かどうか。在日华人投資家が大阪都心で長期保有・賃貸を前提に購入することは、健全な実需そのものです。旭森観察室が一貫して伝えてきた「長期保有・実質利回り重視」(VOL.04)の姿勢は、この時代の要請にも合致しています。

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