日本不動産は「まだ買える市場」から「選ばないと負ける市場」へ
◆ 旭森観察室 · ASAHIMORI OBSERVATORY ◆
日本不動産は
「安いから買う」時代から
「場所と収益を選ぶ」時代へ
地価 5年連続上昇
投資額 過去最高水準
大阪 商業地 +8.5%
オフィス・物流も空室低下
——いま重要なのは、上がるか下がるかではなく、
「どのエリアを、どの価格帯で、どの出口で持つか」です。
2026年の日本不動産市場は、表面だけ見ると「まだ上がっている市場」です。しかし投資家にとって本当に見るべきなのは、単なる価格上昇ではありません。資金がどこに流れているのか、賃料がついてきているのか、供給が増えるのか、そして将来売れる物件なのか。この4点を見なければ、上昇相場の中でも失敗します。
Section 01 · Market
地価 5年連続 上昇 日本不動産 2026
まず確認すべきは、全国の地価がまだ上昇局面にあることです。国土交通省の令和8年地価公示では、全国平均で全用途・住宅地・商業地がいずれも5年連続上昇しました。これは一時的な投機ではなく、都市部への人口集中、観光回復、再開発、建築費高騰による供給制約が重なっているためです。
大阪府も同じ方向です。2026年の地価公示で、大阪府の住宅地は前年比+2.8%、商業地は+8.5%。住宅地は5年連続、商業地は4年連続の上昇となりました。特に商業地の強さは、インバウンド、都心再開発、オフィス需要、ホテル需要が重なっていることを示しています。
投資家への示唆は明確です。日本不動産は「全国どこでも安い」市場ではありません。上がる場所と伸びない場所の差が広がる市場です。だからこそ、駅距離、生活利便性、賃貸需要、将来の出口を見ずに買う投資は危険です。
Section 02 · Money Flow
不動産投資額 過去最高水準 機関投資家 日本回帰
資金の流れも日本不動産を支えています。CBREによると、2026年第1四半期の日本事業用不動産投資額は2兆430億円で、第1四半期として過去最高水準となりました。さらに2025年通年の投資額は6兆円を超え、過去最高を更新する見込みとされています。
ここで重要なのは、金利が上がっても資金流入が止まっていない点です。通常、金利上昇は不動産に逆風です。しかし日本では、賃料上昇、低い空室率、金融機関の融資姿勢、海外投資家の需要が重なり、投資意欲が維持されています。
これは個人投資家にとっても重要なサインです。機関投資家が大型物件を買う市場では、都心部の土地・建物の希少性が高まります。個人投資家は大型オフィスや物流施設を直接買えなくても、その周辺にある区分マンション、小型一棟、賃貸需要の強い中古物件で恩恵を受けることができます。
Section 03 · Osaka
大阪 不動産 投資 2026 都心 中古 区分
大阪を見る理由は、単に東京より安いからではありません。大阪は、万博後の開発、IR、副首都構想、インバウンド、オフィス需要、物流需要が同時に動いている都市です。複数の材料が重なる都市は、長期保有の前提を作りやすいのが特徴です。
大阪ビジネス地区のオフィス市場では、2026年5月時点の平均空室率が3.04%、平均賃料は13,239円となり、空室率は5カ月連続で低下しました。大阪Grade Aオフィスでも空室率は低下し、プレミアムグレードでは賃料上昇が加速しています。これは企業活動が戻り、都心部の床需要が強いことを意味します。
オフィスが強い都市では、周辺の住宅需要も支えられます。働く人が増え、企業が戻り、交通結節点の価値が高まれば、都心中古マンションや駅近賃貸物件の安定性は上がります。大阪投資では「安い物件」よりも、「貸せる場所」「売れる場所」を優先すべきです。
Section 04 · Rent
価格上昇より重要なのは 賃料がついてくるか
上昇相場で最も危険なのは、価格だけを見て買うことです。不動産投資の本質は、価格上昇ではなく、毎月の賃料と将来の出口です。価格が上がっても賃料が上がらなければ、利回りは下がり、金利上昇時に収支が苦しくなります。
旭森観察室で繰り返し見てきた区分マンション市場でも、築20年以上の区分マンション価格が3年で約1.6倍に上昇するなど、個人投資家が狙いやすい価格帯にも上昇が波及しています。ただし、ここで見るべきは「まだ上がるか」だけではありません。賃料改定余地、管理費・修繕積立金、空室リスク、築年数、管理状態まで確認する必要があります。
投資判断では、表面利回りだけでなく、実質利回りを見るべきです。管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険、原状回復費、空室期間を差し引いた後に、手元にいくら残るのか。ここを見ない投資は、上昇相場でも失敗します。
Section 05 · Strategy
2026年下半期 日本不動産 投資参考
2026年下半期の日本不動産投資で、在日華人投資家が見るべきポイントは5つです。
1つ目は、都心・駅近・生活利便性です。人口が集まる場所、単身者・共働き・外国人居住者の需要がある場所は、賃貸と売却の両方で強くなります。
2つ目は、中古物件の管理状態です。築年数だけで判断せず、修繕履歴、管理組合、積立金、共用部の状態を確認することが重要です。
3つ目は、賃料上昇余地です。周辺相場より安く貸している物件は、将来の収益改善余地があります。逆に、すでに高すぎる賃料で満室に見える物件は注意が必要です。
4つ目は、出口戦略です。将来、誰に売れる物件なのか。実需層に売れるのか、投資家に売れるのか、外国人にも需要があるのか。買う前に売却先を想定する必要があります。
5つ目は、金利と融資条件です。現金購入は強いですが、融資を使う場合は、金利上昇時の返済余力を必ず確認すべきです。利回りが低い物件ほど、金利上昇の影響を受けやすくなります。
Section 06 · Conclusion
旭森観察室 VOL.33 の 3つの結論
結論①:日本不動産は「安いから買う市場」ではなくなった
地価、投資額、賃料、空室率のデータを見ると、日本不動産にはまだ強い資金が流れています。しかし上昇しているから何でも買えばよいわけではありません。これからは、場所・収益・出口を選ぶ力が必要です。
結論②:大阪は長期材料が重なるが、物件選別がより重要
大阪は再開発、IR、インバウンド、オフィス需要、物流需要が重なる都市です。一方で、すべての物件が同じように上がるわけではありません。都心、駅近、賃貸需要、管理状態のよい中古物件を選ぶことが重要です。
結論③:2026年下半期は「買うか買わないか」より「何を買うか」
相場が動いている時期ほど、焦って買うのは危険です。しかし、待ち続けるだけでも機会損失になります。重要なのは、収益が読める物件、出口が見える物件、長期保有に耐える物件を冷静に選ぶことです。
ASAHIMORI · 旭森不動産
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※本記事は市場情報の整理を目的としたものであり、特定物件の購入・売却を推奨するものではありません。最終判断は、物件調査・資金計画・専門家確認のうえで行ってください。
