After The Hike · VOL.28 · 2026.06.22
日銀利上げから1週間
なぜ不動産価格は
下がらないのか
通説が成り立たない4つの理由
📉 通説の予想金利↑なら
価格↓のはず
「利上げ=
不動産下落」
≠
📈 1週間後の現実価格上昇に
変調なし
公示地価
5年連続上昇
6月16日、日銀が政策金利を1.0%へ利上げして1週間が経過
「金利が上がれば不動産は下がる」——その通説に反して
市場の上昇傾向に変調は見られない
——なぜ利上げと価格下落は直結しないのか、冷静に分析する
「利上げされたから不動産は下がるはず」——そう身構えた人ほど、今の市場に戸惑っています。
日銀が6月16日に政策金利を1.0%へ引き上げてから1週間。「金利が上がれば不動産価格は下がる」という通説に反して、市場の上昇傾向に変調は見られません。専門機関は利上げを「織り込み済み」とし、公示地価は5年連続上昇、金融機関の貸出態度も前向きなまま。なぜ「教科書通り」にならないのか。本号では、利上げと不動産価格下落が直結しない4つの理由を冷静に分析します。先週のVOL.17(利上げ速報)の続編として、「その後どうなったか」をお届けします。
まず、利上げ後の実際の市場データを確認します。「金利が上がったのに」という前置きで見ると、その底堅さが際立ちます。
政策金利6月16日に 0.75% → 1.0% へ利上げ(31年ぶり水準)
不動産価格金利上昇下でも上昇傾向に変調なし(全日本不動産協会)
公示地価2026年3月公表で 5年連続の上昇
中古マンション価格指数の上昇傾向が継続
金融機関貸出態度は依然として前向き
専門家の評価利上げは「織り込み済み」·想定外ではない
💡 「金利が上がれば価格は下がる」は一面的:この通説は理論上は正しい側面があります。しかし現実の不動産市場では、金利以外の多くの要因(供給・需要・インフレ・為替・賃料)が同時に作用します。利上げ1週間後の市場は「金利単独では価格は決まらない」ことを実証しています。
「金利が上がれば不動産価格は下がる」という通説は、なぜ今の日本で成り立たないのか。教科書の理論と現実の差を整理します。
📖 教科書の理論 vs 2026年日本の現実
📖 教科書の理論
金利が上がる → ローン負担増 → 買える人が減る → 需要減 → 価格下落。すべての条件が一定なら成り立つ。
🌏 2026年の現実
金利が上がっても → インフレ・供給不足・賃料上昇・海外資金流入が同時進行 → 価格を押し上げる力が上回る。
▼ 「他の条件が一定」という前提が崩れている ▼
教科書は「金利だけが動く」世界の話。
現実は金利と同時に「インフレ・供給・需要・為替」が動いている。
今の日本は、金利が上がると同時に、建築費高騰による供給制約、歴史的な賃料上昇、世界からの資金流入が起きています。これらの「価格を押し上げる力」が「金利上昇による下押し圧力」を上回っているため、トータルでは価格が下がらないのです。
利上げしても不動産価格が下がらない理由を、4つの構造的要因に分解します。
専門家・投資家は今回の利上げを事前に予測しており、市場価格にはすでに反映済みでした。サプライズではない利上げは、価格を動かさない。発表前から「1%は来る」と分かっていたため、決定は確認に過ぎませんでした。
ベース金利は上がっても、不動産投資のリスクプレミアム(上乗せ幅)はほぼ変化していません。場合によってはスプレッドがさらに圧縮しているケースもあるとされ、金融機関の貸出態度は前向きなまま。欧米と比較して緩やかな利上げが市場の混乱を防いでいます。
新築供給が1973年以降最少(首都圏)・近畿圏42%減という供給制約(VOL.16/20)、全国84都市での賃料上昇(VOL.13)が、金利上昇の下押し圧力を打ち消しています。需給が引き締まっている市場では、金利が上がっても価格は下がりにくい。
インフレ局面では実物資産である不動産に資金が向かいます。さらに2026年Q1にアジア太平洋が31%増・日本が流動性をリード(VOL.27)という世界の資金流入が継続。金利上昇よりインフレヘッジ需要と海外マネーの力が強い。
「利上げしても価格が下がらない」という事実の最も明確な証拠が、公示地価です。日銀は2024年以降、段階的に利上げを続けてきましたが、地価は一貫して上昇しています。
📊 公示地価 · 利上げ局面でも連続上昇
日銀が利上げを始めた2024年以降も地価は上がり続けている
2026年3月公表の公示地価は 5年連続の上昇
日銀が利上げを進めた2024〜2026年も地価上昇は止まっていない
💡 過去が証明していること:日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、その後段階的に利上げを続けてきました。にもかかわらず、公示地価は5年連続で上昇しています。「利上げ=地価下落」が成り立たないことは、すでに2年間の実データが証明しています。今回の1%利上げも、この大きなトレンドを変える可能性は低いと考えられます。
「価格が下がらない」のは市場全体・優良物件の話です。すべての物件が安泰なわけではありません。ここを誤解すると危険です。
⚠️ 利上げで「下がる物件」の特徴:① 駅から遠い・利便性の低い立地、② 築古で管理状態が悪い、③ 人口減少地域、④ 賃料を上げられない物件、⑤ 修繕積立金不足や管理不全。これらは利上げ局面で実需が手を引き、価格下落圧力が直撃します。VOL.15の「多極化の下層」、VOL.24の「管理の質」で警告した通りです。
つまり利上げは「市場全体を下げる」のではなく「選別を加速させる」。良い物件はますます強く、弱い物件はますます弱くなる——この二極化が利上げで鮮明になります。「価格が下がらない」と「価格が下がる」は、物件によって同時に起こります。
💡 在日华人投資家が取るべき姿勢:「利上げされたから様子見」でも「利上げされても全部安泰」でもなく、「利上げで二極化が進むから、勝つ物件を選び抜く」が正解です。立地(VOL.03)・実質利回り(VOL.04)・管理の質(VOL.24)という選別軸を使い、価格が下がらない側の物件を見極めることが、利上げ局面での最重要スキルです。
💡 結論①:利上げから1週間、価格は下がっていない——「織り込み済み」だったから
事前に予測されていた利上げは、すでに市場価格に反映済みでした。専門家が「想定外ではない」とし、金融機関の貸出態度も前向きなまま。サプライズでない利上げは価格を動かしません。VOL.17で「予測通り」と伝えた通り、市場も冷静に受け止めています。
💡 結論②:「金利↑=価格↓」は一面的——4つの力が下押しを打ち消す
織り込み済み・リスクプレミアム不変・供給不足と賃料上昇・インフレと海外資金流入——この4つの構造的要因が、金利上昇の下押し圧力を上回っています。公示地価5年連続上昇という実データが、利上げ局面でも価格が上がり続けることを証明しています。
💡 結論③:利上げは「下落」ではなく「選別の加速」——勝つ物件を選び抜く
市場全体は下がらなくても、立地が悪い・管理が悪い・人口が減る物件は確実に下がります。利上げは二極化を加速させます。在日华人投資家がすべきは「様子見」でも「楽観」でもなく、立地・利回り・管理の質という選別軸で「価格が下がらない側の物件」を見極めることです。これが利上げ時代を勝ち抜く唯一の道です。
ASAHIMORI · 旭森不動産
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